歯周病は“全身疾患”——心臓・腎臓・腫瘍との関係は?
こんにちは。
サークルどうぶつ病院五条の院長です。
当院は、五条河原町から北に上がった、西側にある病院で、2025年12月15日にオープン予定です。
12月13日、14日には内覧会を実施予定なので、ぜひお越しください!詳細は後日発表いたします。
工事もかなり順調に進んでおり、院内は少しずつ完成に近づいております。
この地域で、たくさんの犬猫やご家族との出会いを考えると、ワクワクした気持ちと使命感があります。
当院では、今ある病気を治すことは当然として、「病気にならないための予防や生活」を重要視しております。
そのためには適切な健康診断を受診していただくこと、日常生活(その子に適したフードやストレスの少ない生活を送るためのトレーニングなど)、デンタルケア、を重要視しております。
ですので、このブログでは、『デンタルケア・歯科』についてしばらくは発信していこうと考えています。
今日は、歯周病の何が怖いのかについて、ブログを書きましたので、読んでみてください!
まだ開業前で写真がないのですが、3分くらいで読めるので、お手隙の際や移動中にでも是非!
そもそも、歯周病とは「歯の病気」というより“歯を支える骨・歯肉・歯根膜が破壊されていく慢性炎症”
で、これが歯周病の本質です。ただの歯の病気ではなく全身に悪影響を及ぼします。
犬猫は人より圧倒的に進行が速く、3歳以上の約80%がすでに歯周病です。
① 歯周病の炎症は、血管を通って全身へ広がる
歯周病は「細菌感染+慢性炎症」です。
炎症を起こす物質や細菌による毒素は歯の血管から血液に乗って全身を回ります。
つまり、
口で起きている炎症がずっと“体内に流れ込み続けている”状態 です。
人でも「歯周病と全身病の関連」はすでに分かっている部分で、犬猫でも同じく無視できません。
② 心臓病との関係:歯周病のある子は心臓病が多い?
特にシニア犬は要注意です。
- 歯周病 → 細菌や炎症物質が血管へ
- 心臓の弁にダメージ
- 弁膜症の進行に関与している可能性がある
犬の場合も人間と同様に、歯周病と心臓病との関連性が複数報告されています。
犬では、感染性の心内膜炎や僧帽弁閉鎖不全症などの、心臓病と歯周病との間に相関があります。
実際に診察の現場でも 「歯が悪い子ほど心臓も悪い」 パターンは経験上も明らかに多いです。
③ 腎臓との関係:歯周病と慢性腎臓病の関係
慢性腎不全の子で、口の中を見ると十度の歯周病があるということも経験上多いです。
腎臓は血流が豊富な臓器なので、炎症物質や毒素が血流を介して腎臓に流れ込み腎臓のネフロンにダメージを与えてしまうと推察しています。
④ 腫瘍との関係:炎症と腫瘍は“仲が悪いようで仲が良い”です
炎症は腫瘍の原因になります。
ただし正直に言うと、
- 歯周病と腫瘍発生率の明確な関連はデータでの報告はありません。
- しかし 腫瘍の子の口がボロボロなことは経験上、本当に多いです
腫瘍科の診察をしていると、
「歯の状態が良ければ、もしかしたら腫瘍が発生していないかも」
と思うことが多いです。
⑤ 健康診断で“歯”を見る意味はここにあります
臓器の検査ばかりに目が向きがちですが、
健康寿命を伸ばすためには“デンタルケア”は内臓器と同じくらい重要 です。
- 痛みなく食べられるようになる
- 体力が落ちにくくなる
- 慢性疾患の進行がゆっくりになる
実際に、歯科処置後に シニア犬猫が一気に元気になる ことはよくあります。
【まとめ】歯は“口だけの問題”ではなく、“全身の土台”です
歯は健康寿命のスタート地点です。
どうぶつの健康寿命(犬生・猫生)を伸ばすための分岐点です。
歯のケアをしないのは非常にもったいないと感じています。
ただ実際の方法や難しい場合の対処法などを知りたい方も多いと思いますので、明日からも実践的な話も含めて、歯の話を深掘りしていきます。
お読みいただきありがとうございました。


