「犬の外耳炎が治らない本当の理由|繰り返す原因と正しい治療を獣医が解説」
こんにちは。サークルどうぶつ病院五条 院長の小川修平です。
年末年始は休診をいただき、ありがとうございました。
旧年中は多くのご縁をいただき、スタッフ一同、心より感謝しております。
本年も、どうぶつたちの健康寿命を伸ばし、毎日の笑顔を一つでも増やせるよう、丁寧に向き合いながら診察を行ってまいります。
このブログでは、日々の診療で大切だと感じたことや、飼い主さんの判断材料になる情報を発信していきます。
本日はわんちゃんの外耳炎についてです!
・犬が耳をかゆがる
・耳が臭う
・点耳薬を使っても、またすぐ再発する
犬の外耳炎はとても多い病気ですが、
“治療しているのに治らない”ケースが少なくありません。
それは、原因に対する治療ができていないことがほとんどです。
この記事では、
- 犬の外耳炎とは何か
- なぜ繰り返すのか
- どうすれば「ちゃんと治る」のか
を、獣医師の立場から解説します。
犬の外耳炎とは?
外耳炎とは、耳の入口(耳介部)から鼓膜までの「外耳」に炎症が起きた状態です。
- かゆみ
- 赤み
- 耳の臭い
- 耳垢の増加
が主な症状です。
犬の外耳炎のよくある症状
- 耳をしきりに掻く
- 頭を振る
- 耳が赤い
- ベタベタした耳垢
- 酸っぱい・甘い・腐ったような臭い
※ 痛みが強くなると触られるのを嫌がるようになります。

この写真は炎症が起き赤みが出ている犬の外耳の写真です。
犬の外耳炎の主な原因
① 細菌・マラセチアの増殖
→ 炎症が起きた結果であって原因ではないことが多い
② アレルギー(食物・環境)
→ 慢性・再発例の大半がアレルギー
③ 耳の構造
- 垂れ耳で耳道が塞がっている犬種
- 外耳道が狭い犬種
④ 中耳炎
- 中耳炎が奥にあって外耳炎を繰り返すことがある
なぜ外耳炎は「繰り返す」のか?
- 原因に対する根本治療を行なっていない
- 不十分な耳の洗浄 or 洗浄のし過ぎで耳の粘膜を刺激している
- 外用薬だけで治療が終わっている
「とりあえず点耳薬」は再発を繰り返す入口です。
犬の外耳炎の正しい治療
治療はセットで考える
- 耳垢検査(細菌・マラセチアの確認)
- 耳垢溶解剤などを含めた適切な洗浄
- 原因に合った点耳薬
- 必要なら内服薬の使用(痒み止めや抗菌剤)
- 基礎疾患(アレルギーなど)への対応
症状が強い場合は、痛みがあるため無理な洗浄をしない判断も重要です。
家でできるケアとNG行動
OK
- 指示された頻度で洗浄をする
- 症状の変化を記録する
NG
- 毎日ゴシゴシと耳を洗う
- 市販薬の自己判断での使用
- 耳毛を無理に抜くこと
よくある質問
Q. 臭いだけなら様子見で大丈夫?
→ 外耳炎の初期サインなので、早期に治療を実施しましょう。
Q. 耳掃除しすぎはダメ?
→ 過剰な耳洗浄で耳の状態を悪化させてしまうことがあります。
Q. 完治しますか?
→ 原因次第ですが、コントロールは可能です。場合によっては、点耳薬を完全に休薬せずに頻度を減らして使用し続ける場合があります。
まとめ
犬の外耳炎は、単純な病気ではなく「根本の原因」があります。
そこに対してアプローチした上で、再発しないように適切なケアを実施していく必要があります。
繰り返しているなら、根本原因から一緒に見直せるように相談しましょう。
サークルどうぶつ病院五条
院長 小川 修平



