京都の冬でもノミ・マダニ・フィラリア予防が必要な3つの怖い理由
こんにちは。サークルどうぶつ病院五条
院長の小川 修平です。
寒い日が続きますね。
「もう寒いし、ノミ、マダニ、フィラリアはいませんよね?」
毎年この時期になると、多くの飼い主さんから聞かれる質問です。
ですが結論から言うと、
冬でもノミ・マダニ・フィラリア予防は必要です。
理由は、
「温暖化の影響で実際に冬でもいる」
「病気が重い」
「予防をやめるデメリットが強すぎる」
この3点です。
冬でもノミとマダニは生きている
ノミは約10℃程度でも生存可能です。
さらに、
- 秋に環境中へ散乱した子ノミ
- 室内の暖房環境(カーペット・寝床)
これらが重なり、
冬でもノミは普通に存在します。
ノミが引き起こす病気
ノミは痒みだけでなく、
- 瓜実条虫
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 猫ひっかき病(人にも感染)
の原因になります。
「冬だから大丈夫」は、
根拠のない安心です。
マダニは冬でも確認されています
マダニは草むらや落ち葉に潜み、
種類によっては5〜10℃でも活動可能です。
実際に、京都ではありませんが
岡山県で行われた研究では、冬季でもほとんどの調査地点でマダニが確認されています。
京都も御所や鴨川、嵐山など中心部でも自然豊かな場所が多いため
岡山県と同じ状況であると考えるべきでしょう。
マダニが怖い本当の理由
猫では
- SFTS(致死的)
- ヘモプラズマ感染症
人では
- SFTS(死亡率 約27%)
- 日本紅斑熱
- リケッチア感染症
これらは冬場の発症報告もあります。
マダニ予防は、
ペットだけでなく家族全員を守る予防です。
フィラリアは「冬にやめる」のが一番危ない
蚊は冬を越します。
特に室内・都市部では、越冬蚊の存在が確認されています。
さらに重要なのが、
フィラリア予防薬の仕組みです。
フィラリア予防薬は「過去を守る薬」
現在使われているフィラリア予防薬(大環状ラクトン系)は、
感染後 時間が経過するとフィラリアに対しての効果が薄まってしまいます。
つまり、
- 飲み忘れ
- 冬に中断
これは、取り返しがつかない感染リスクを生みます。
耐性フィラリアの問題
近年、
フィラリア予防薬に耐性を持つフィラリアの報告が増えています。
不規則な投薬は、
耐性出現のリスクを高める可能性が指摘されています。
猫にもフィラリア予防は必要
猫のフィラリア症は、
- 少数寄生でも重症化
- 突然死の原因になることもある
完全室内飼育でも感染例があります。
ノミ・マダニ・フィラリアの予防方法
基本は「通年予防」
現在、世界的なスタンダードは
ノミ・マダニ・フィラリアの通年予防です。
理由はシンプルで、
- 冬でも寄生虫が存在する
- フィラリアは飲み忘れが致命的
- 不規則な投薬が耐性リスクになる
からです。
具体的な予防方法
🟢 ノミ・マダニ予防
- スポットタイプ(滴下薬)
- 内服タイプ
- 首輪タイプ
👉 確実性・安全性の点から、動物病院処方薬が推奨されます。
※ 市販薬は
・効果が弱い
・猫に使えない成分が含まれる
など、事故が起きやすいので注意が必要です。

うちの猫にスポットタイプの予防薬をつけている図🐈
🟢 フィラリア予防
- 月1回の内服またはスポット
- 内服の方が効果は高い
重要なのは
「決まった間隔で、1年中続けること」。
1回の飲み忘れが、感染につながる可能性があります。
猫の場合
- 完全室内飼育でも予防対象
- ノミ・マダニ+フィラリアの同時予防が理想
猫のフィラリア症は
突然死の原因になることもあるため、予防が最重要です。
ノミ・マダニが「ついていた」場合の対処法
ノミを見つけた場合
❌ やってはいけないこと
- シャンプーだけで済ませる
- 市販の駆除スプレーを使う
- 放置する
ノミは
動物の体+環境(部屋)に存在します。
✅ 正しい対処
- 動物病院で確実に効く駆除薬を使用
- 同居動物も同時に治療
- 寝床・カーペット・ソファの掃除、洗濯
👉 ノミは「1匹見たら環境に大量にいる」と考えるのが基本。
マダニがついていた場合
絶対にやってはいけないこと
- 無理に引っ張る
- 潰す
- アルコールをかける
マダニの口器が皮膚内に残ってしまう可能性があります。
✅ 正しい対処
- できるだけ早く動物病院へ相談する
- 専用器具で適切に除去
- 必要に応じて感染症のモニタリング
特に
- 元気がない
- 発熱
- 食欲低下
があれば、SFTSやヘモプラズマ、バベシア症など重篤な感染症を疑う必要があります。
人が刺された場合も注意
マダニは
人にもSFTS(死亡率 約27%)
日本紅斑熱、リケッチア感染症
を引き起こします。
犬猫のマダニ=家族全員のリスクです。
まとめ
- 冬でもノミ・マダニは存在する
- マダニ・フィラリアは命に関わる
- 人にも感染リスクがある
- 予防は「通年・継続」が最重要
- 飲み忘れ防止・耐性対策としても通年予防が最善
通年予防は、今や世界的なスタンダードです。
大切な家族を守るため、ぜひ一年を通した予防をご相談ください。


