愛犬の「食べる喜び」を一生守るために―予防歯科の重要性
こんにちは。サークルどうぶつ病院五条、院長の小川です。
「予防歯科」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
毎日の歯磨き、デンタルサプリメント、あるいは定期的な検診……。
これらはどれも正解ですが、実は予防歯科を成功させるために最も重要なのは、私たち獣医師や看護師、そしてどうぶつさんのご家族の「歯周病管理に対する継続的な熱意」ではないかと私は考えています。
■ 蔓延しすぎているからこそ、見逃せない
成犬の8割以上が罹患していると言われる歯周病。
あまりに一般的すぎて、「どの子もこれくらいは汚れているものだ」と見過ごされがちです。
しかし、重症化して歯を抜くことになったわんちゃんを見るたび、私は「もっと早い段階で何とかできなかったか」と強く思います。
かつて私自身、通院してくださっていた子の歯周病を「様子見」してしまい、結果として多くの抜歯を余儀なくされた苦い経験があります。その時の悔しさが、今の私のモチベーションになっています。
動物の痛みを取り除くだけでなく、重症化させないこと。
それこそがホームドクターとしての使命だと確信しています。
■ 「麻酔=悪」という罪悪感を捨てる
多くの飼い主様が「麻酔なしで歯石を取ってほしい」と願われます。
しかし、すでに歯周病が始まっている場合、意識がある状態での処置は、目に見える汚れを落とす「お掃除」にはなっても、根本的な「治療」や「予防」にはなりません。
ここで強調したいのは、「麻酔下での処置(プロフェッショナルケア)」も立派な予防歯科であるということです。
毎日の歯磨き(ホームケア)が完璧にできればベストですが、それが難しい場合でも、定期的にプロの手でリセットすることで健康な状態を維持できます。
当然、全身麻酔をかけること自体がわんちゃんにとっては負担になる場合もあります。
そこを加味しても麻酔下での処置が望ましいと判断した場合に実施を提案させていただいております。
■ 生涯を通じた「長期ビジョン」の提案
私たちは、単に「今の歯石をどうするか」という話はしません。
「その子が一生、自分自身の歯でおいしく食事をするために、今何ができるか」という長期的な視点でお話しすることを心掛けています。
数年おきのメンテナンスを計画に盛り込み、日々のケアをどう組み合わせるか。
ワクチンやフィラリア予防と同じように、デンタルケアが「当たり前」の習慣になるまで、私たちは熱意を持って伝え続けていきます。お口のニオイや汚れが少しでも気になったら、いつでもご相談ください。
サークルどうぶつ病院五条
院長 小川修平


